「イノベーションのジレンマ」を読んだメモ
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
イノベーションのジレンマを読んだメモです. 個人的メモなので,網羅的ではなく,自分の気になったところや重要に感じたところをまとめてます.
本のあらすじ
- ディスクドライブ業界や掘削機業界におけるメーカの栄枯盛衰と持続的・破壊的イノベーションの関係から,なぜ実績のある企業が新興企業に負けたのか分析する
- 破壊的イノベーションとは何か,破壊的イノベーションを起こせない原因は何か,を事例を交えて分析する
- 破壊的イノベーションに対応するために,実績のある企業はどのような方法をとるべきかを提案する
バリューネットワークとイノベーション
- バリューネットワーク(以下VN)とは,製品・市場・メーカ・利益・コストの階層構造や関係性のことで,異なるVNにおいて求められる性能や,性能対価格は異なる
- 技術(により構成されるシステムや市場)パラダイムとも言える
- 企業はVNの中で顧客ニーズの認識,問題解決,資源調達,利潤追求を行う
- VNの異なるイノベーションは異なる指標のS字カーブ(時間対性能)を描くので,既存VNに留まると,気付いた時には新VNが成長して,時すでに遅しとなる(本の図2.6)
- 既存VNの中で持続的成長を追求するのが持続的イノベーション,新規VNを成長させるのが破壊的イノベーション
イノベーションのジレンマ(なぜ実績のある企業が破壊的イノベーションを実現できないのか)
- 実績のある企業が技術開発,研究,リスクテイク,積極的投資をしていないわけではない
- 実績のある企業は,VNの中で経済的価値を正しく実現することで持続的イノベーションは行うが,破壊的イノベーションには投資しない判断をする(そのVNにおいては正しい判断)
- VNが異なるとコスト・利益構造も異なるので,投資家・経営者は利益率の高いVNでのイノベーションを選択することになる
- 上位のVNにおいては,研究開発やマーケティングやマネジメントの管理コストが高く,市場規模と利益率が小さいVNへの移行は意思決定されない
- 実績のある企業におけるVNでは,顧客ニーズと利益の追従を善とする
- 大企業の効率的な資源配分システムは,破壊的技術のような提案を合理的にシステマティックに排除するようにできている
- 技術革新,顧客のニーズを組んだ適切な投資,安定で高収益化につながる意思決定をしているからこそ
- 意思決定者,顧客のみならず,VNの財務構造,構成要員,組織文化,評価基盤すべてに束縛される
破壊的イノベーションへの対応
- 破壊的イノベーションを適切な顧客に結びつける
- 顧客のニーズにより,破壊的イノベーションに必要な資源が集まる
- 小さな独立した組織(新会社,独立企業)を設立する
- 小さな機会や小さな勝利にも前向きになれるようにする
- 規模を小さく保ち,独立性を保つ
- 既存組織の価値基準とプロセスと共存させるのは難しい
- 資源配分プロセスを独立させる
- 主流市場の持続的イノベーションとして売り出す(主流市場で利用できるまで技術がまで待つ)のではなく,破壊的技術の特徴が評価される新しい市場を見つける
- 失敗を早い段階でわずかな犠牲にとどめる
- 破壊的技術の場合に必要なのは,実行のための計画ではなく学習のための計画
- 最初のアイデアにすべてを賭けず,試行錯誤し学習と挑戦を繰り返す余裕を残しておく
破壊的イノベーションの考え方
- 歴史的には,技術が供給過多になると破壊的イノベーションが発生しやすい
- 破壊的技術の指針
- 単純で信頼性が高く,便利
- 特徴,機能,スタイルを短期間に低コストで変更可能
- 機能単位の価格は高くても製品価格は低くする
- 製品・技術の弱みが強みになる下位市場を開拓する
- 破壊的技術を持つ組織の買収や統合により,そもそもの価値の源泉を潰さないよう注意する
所感
- 持続的イノベーションのためのプロセス・価値基準を破壊的イノベーションと共存させることの難しさには共感した
- 主流市場で利用できるまで技術がまで待つというのは,自分でもよく思考しがち(「まだ使えるレベルじゃないね」で断念してしまう)なので,破壊的技術の特徴が評価される新しい市場を見つけるという視点を持つようにしようと感じた
- 前半のディスクドライブ絡みの事例の部分がちょっと冗長なので,その辺は飛びし気味で読むと良いと思う
- 本の最後の方にある「『イノベーションのジレンマ』グループ討議の手引き」は,チーム内でこの話題について話し合うのに役立ちそうなのでオススメ!
先月読んだ本と今月の読書予定(2018年9月)
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
先月の読書実績
漫画,雑誌は除いています.
実績 | Fav | 本 |
---|---|---|
⏸ | 数学ガール | |
✅ | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき | |
✅ | ⭐ | 新1分間マネジャー | |
✅ | Newtonライト『周期表』 (ニュートンムック) |
- 数学ガールは半分読んでから進んでない・・・
今月の読書予定
新規・継続 | 本 |
---|---|
▶ | 数学ガール |
🆕 | 新装版 リファクタリング―既存のコードを安全に改善する |
「新1分間マネジャー」を読んだメモ
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
以前及川さんが1分間マネジャーについてツイートされてて,ずっと気になったのですが,やっと読みましたのでそのメモです. (読んだのは新1分間マネジャーの方)
会社で参考にしてもらおうと「1分間マネジャー」を持ってきた。平易な言葉で物語的に書かれているが、内容は普遍的で今でも通じるPeople Management論だと思う。https://t.co/VnfnrSfmuD pic.twitter.com/rYMQBlroxb
— 及川卓也 / Takuya Oikawa (@takoratta) March 13, 2017
及川さんがおっしゃる通り平易な文で読みやすく,遅読家にも関わらず2日ほどでサクッと読めてしまいました!
良いマネージャとは
- 世の中のマネージャのほとんどが,結果か人間のどちらかをもっぱら優先している
- 自分がいることで人にも組織にも恩恵を与えるのが良いマネージャ
- みんなが自分に満足するように助ける
- 自分自身に満足している人は,満足できる結果を生み出す
1分間目標
- 仕事の範囲,結果,期限,評価基準の認識を合わせる
- 本人が自分をマネジメントできるようになる
- AS-ISとTO-BEのギャップから,解決策を本人が考えられるようになる
- 人間にとって最大の動機付けは結果に対するフィードバックであり,そのためにはAS-ISとTO-BEが共有されなければならない.
- なぜ目標が共有されないのか
- ほとんどの人が,業績評価で間違いを指摘されるまで,フィードバックが得られない
- これは全員が優等生評価されてはならないという伝統的な間違いをマネージャが持っているから
- マネージャの誤解
- 多くのマネージャーは,部下が何を目指すべきかを知っていると誤って思い込んでいるが,実際には何を期待されているか部下はわかっていない
- ベールに覆われてボウリングをするような状態になっていることが多い
- 目標(期待)が明確かどうかの判定
- 「良い仕事をしているか?」に対して「わからない」「たぶん」ではなく,明確にYes/Noが答えられるか?
1分間賞賛
- メンバーが正しいやり方をしているところを見つける
- 本人が正しいやり方をしているか評価(自分で自分を賞賛)できるようになる
- 自信が生まれる
- 注意
- 最初のうちは概ね正しいやり方をしていたら受け入れる(賞賛する)
- あら探しをしない
- ほったらかしにして勝手に期待して期待に応えなかったらバッサリ,をしない
1分間修正
- ミス自体と向き合い,本人のフォロー(肯定)を行う
- ミスをすぐに検証し,1分で完結させ,後を引かずスムーズに仕事へ戻る
- コツ
- 早めにフィードバックを与えることで,お互いに溜め込まず,敵意を生まないようにする
- 自信を打ち砕くのではなく自信をつけさせる
- ミスを指摘し,人間性を肯定する
- やさしい後厳しいより,厳しい後やさしい方が効果が出る
先月読んだ本と今月の読書予定(2018年8月)
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
先月の読書実績
漫画,雑誌は除いています.
実績 | Fav | 本 |
---|---|---|
⏸ | 数学ガール | |
✅ | ⭐ | なっとく!アルゴリズム |
✅ | アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 | |
▶ | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき |
- 月末に駆け込みでチェックリストの本読めた
今月の読書予定
新規・継続 | 本 |
---|---|
▶ | 数学ガール |
▶ | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき |
🆕 | 新1分間マネジャー |
「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」を読んだメモ
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】を読んだメモです.
失敗の原因
- 無理
- そもそも解決できない
- 無知
- 解決策が見つかっていない
- 無能
- 解決策が正しく実行されない
現代では昔に比べ,無知より無能による失敗が多くなった.解決の仕方は解明されてきたが手順が複雑であり失敗する.
医療においては,超専門化によって複雑化への対応が進められたが,それでもミスはなくならなかった.
無能な失敗の回避方法
高性能な爆撃機の複雑な操作手順を正しく行うために,チェックリストが有効に働いた. チェックリストの内容は一見バカバカしいと思われる簡単なものだが,その効果は絶大である.
チェックリストの効能
- 人間の記憶力と注意力の危うさ,また手順を省く誘惑を回避できる
- チェックリストには時間がかかるが,全体の所要時間は短縮される
- プロセスが形式化し秩序が生まれ,非効率な検討や意思決定プロセスが回避される
- チェックリストは硬直化を招かない
- 単純な事柄をチェックリストが片付けてくれるので,人間は難しい問題に専念できる
複雑な問題への対応
問題のタイプは以下に分けられる.
- 単純な問題
- ケーキの焼き方など
- やや複雑な問題
- ロケットの月への飛ばし方など
- 再現性がある
- 複雑な問題
- 子育て,医療行為など
- 再現性がなく多様
チェックリストは単純な問題に対しよく作用することはわかるが,複雑な問題に対してはどうか?
建築における例
- 医療と同様に複雑多様化し,1人の人間が全てをやるのではなく超専門化された
- 複雑な問題を分解した個々の層のチェックリスト(単純な手順の間違いを防ぐチェックリスト)とは別に,それぞれの層がコミュニケーションをするための「提起スケジュール」もチェックリスト化した
- 予想外・不確実なの問題に対応するためのチェックリスト
- 「人」は誤りやすいが,「人々」は誤りにくい
つまり
複雑な問題への対応は,権限の分散(自由と制約の適度な配合)が有用である(=対照的な2つのチェックリスト).
良いチェックリストとは
- シンプルで,明確で,細かすぎず,重要な手順だけを忘れないようにさせる実用的なもの
- 入れるべきでないものは入れない
- チェックリストはマニュアルではなく,熟練者を助けるためのシンプルで使いやすい道具である
- 一時停止点(いつチェックを行うのか)をはっきりと決める
- 1ページに収める
- 余計な装飾や色使いは避ける
- フォントはサンセリフを使う
- 必ず実世界で試用(テスト)する
手術においても,チェックリストの洗練と実地でのテストの繰り返しおよび改良をすることによって,大きな効果が証明された. バリュー投資についても同様の事が観測された.
本書で面白かった話
- チェックリスト自体が機能しているかチェックするために,試金石を入れ込んでおく
- ロックミュージシャンが「茶色のM&Msだけ除いて用意すること」とリストに入れておき,茶色のM&Msがあったら重大な問題が発生している可能性があることがわかる,という話
- 活性化現象
- 最初に何かを言う機会を与えることで,当事者意識と責任感が高まる
先月読んだ本と今月の読書予定(2018年7月)
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
先月の読書実績
漫画,雑誌は除いています.
実績 | Fav | 本 |
---|---|---|
▶ | 数学ガール | |
▶ | なっとく!アルゴリズム | |
✅ | ⭐ | カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで |
🆕 | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき |
- 時間がうまく作れなくてあまり読書できなかった
今月の読書予定
新規・継続 | 本 |
---|---|
▶ | 数学ガール |
▶ | なっとく!アルゴリズム |
▶ | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき |
🆕 | アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】 |
先月読んだ本と今月の読書予定(2018年6月)
ブログを引っ越ししましたので,5秒後に移動します
先月の読書実績
漫画,雑誌は除いています.
実績 | Fav | 本 |
---|---|---|
✅ | ⭐ | いちばんよくわかるHTML5&CSS3デザインきちんと入門 |
✅ | ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ | |
✅ | ほとけ様に教わった 毎日をハッピーにする90の方法 | |
▶ | 数学ガール | |
▶ | なっとく!アルゴリズム | |
▶ | カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで | |
■ | エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 |
- DDDは難しく頭に入ってこないので,第10章まで読んで一旦読むをやめた
- 数学ガール結構難しい(特に母関数).1巻読み終わったら次読む前に秘密ノートシリーズを先に読もうかな.
今月の読書予定
新規・継続 | 本 |
---|---|
▶ | 数学ガール |
▶ | なっとく!アルゴリズム |
▶ | カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで |
🆕 | イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき |